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過去の受賞活動

全国から選ばれたこれまでの受賞校をご紹介。
エコ活動のヒントが見つかるかも!?

第10回(2021年度)受賞校の取り組み

内閣総理大臣賞+ベストプレゼンテーション賞

普及・啓発部門

秋田県立大曲農業高等学校 果樹部

硫黄由来資源を活用した鳥除けプロジェクト

  • 活動内容
    背景
    近年、学校内の果樹園でカラスによるリンゴの食害が増えていたため果樹農家や市民に実態調査をしたところ、ほとんどの農家がカラスの被害にあっていました。その一軒がカラス除けに硫黄石をつるしていましたが、硫黄石は高価で貴重な資源であることから、代替資源の調査を開始しました。
    取り組み
    代替資源として以下の4つの条件を満たす資源を調査しました。① 硫黄石と同等の特性や効果があること。② 輸送コストがない地域資源であること。③ 低コストであること。④ 持続可能な生産ができ、その産出で環境に負荷を与えないこと。その結果、廃棄物となっている湯の花に着目しました。日本一の強酸性を誇る玉川温泉(硫黄泉)のきつい硫黄臭がカラスからリンゴを守ると考え、近隣農家での比較実験を行いました。
    結果
    湯の花を設置した区域はカラスの被害からほとんどのリンゴが守られました。そこでリンゴの葉をかたどった湯の花キットを作製、「KYK(カラスは山へきっと)」と命名し、地元住民にキットを提供する普及活動を行い、その多くで成果を上げ、廃棄物となっていた湯の花を地域の宝にすることができました。
    質疑応答
    Q
    実際に商品化をする場合、どこでも大量に作ることは可能でしょうか。
    A
    KYK(湯の花キット)はだいたい人件費とフィルムだけのコストで生産が可能なので、大量生産することは可能だと考えています。
    Q
    代替資源を探す中で湯の花に行き着くまでにいろいろなプロセスがあったかと思いますが、その経緯を教えてください。
    A
    まずネットやテグスなどの市民の方々もやっているような作業から始めましたが、高齢化が進む農業で高所作業は難しいと考えました。また、カラスはやはり知能が高いので、テグスでは何回も繰り返し、学習することで効果が薄まってしまいます。硫黄石がいいと思ったきっかけは、課題研究の授業を通じて、農家さんが硫黄石を使っているということを知って、硫黄石には本当に効果があるのかというところからでした。
    審査講評

    リンゴの葉のかたちという高校生らしいアイデアかつ、地元の湯の花という自然の産物を生かし、地産地消を目指している点が優れています。また、カラスを駆除するのではなく追い払うということが、野生生物と人間が共生するための「ゾーニング」に通じると感じました。

  • 発表者
    左:山野 大樹さん(2年)
    右:片野 芹菜さん(2年)

内閣総理大臣賞

研究・専門部門

愛知県立安城農林高等学校 土壌研究研修班

土壌生物利用による循環型農業の研究

  • 活動内容
    背景
    トマトの水耕栽培で出る大量の根の残さがもったいないと考え、先生に相談したところから活動が始まりました。調べるうちに残さの循環は全国的な課題であることがわかりました。さらに、根の残さにシマミミズがびっしり付いていたことからリンを循環する方法を思いつきました。
    取り組み
    水耕栽培したトマトの根にはリンがたくさん含まれており、その残さを食べたミミズの糞にもリンが含まれることから、糞土の分離方法を研究しました。移動しながら糞をする習性を発見し、自作した飼育箱でリンを含んだ糞土を短時間で確実に分離・回収する方法を開発しました。比較実験を行い、トマトの根の残さからできたミミズの糞土には、家庭生ゴミ由来のものに比べ、植物が使うことのできる有効態リン酸が約3倍含まれていることが確認できました。
    結果
    トマトの根の残さ由来の糞土を用い、はつか大根を利用した発芽試験を行うと、糞土1、培土3で混合したものが最も生育がよく、堆肥として利用できることが証明されました。今後も循環型農業の実現に向け取り組んでいきたいです。
    質疑応答
    Q
    大規模な運営をしようとしたときに、ミミズが逃げないような対策はありますか。
    A
    飼育箱の一番下の層の育苗箱の上に新聞紙を引いて、2週間ごとに張り替えることにより、ミミズの逃亡を阻止できます。規模を広げる場合、新聞紙ではなく繊維質のもので代用できると考えています。
    Q
    ミミズを可愛いと感じていますか。
    A
    もちろんです。飼っていて人に慣れてくると、手の上で寝そべるのがリラックスしているようでとても可愛いです。
    審査講評

    リン鉱石は2060年代までに枯渇するという試算もあり、海外資源に依存しているという日本にとって非常に重大な問題です。日本の食糧生産計画の部分に大きく貢献するだけでなく、土壌の問題は海の問題にもつながる地球全体の環境問題で、そのアプローチにもなる素晴らしい研究です。

  • 左から
    青柳 あやさん(3年)
    鈴木 新波さん(3年)
    東本 恋佳さん(2年)発表者
    鈴木 彩音さん(3年)
    稲垣 稀月さん(3年)発表者

文部科学大臣賞

普及・啓発部門

熊本県立熊本農業高等学校 養豚研究班

持続可能な生活を実現する

  • 活動内容
    背景
    日本の家畜の飼料自給率は低く、大半を輸入に頼っている反面、食品廃棄量は2800万㌧にも及ぶことを知り、食品廃棄物を有効活用した飼料「エコフィード」を作ろうと考えました。これまで6社の企業から出る食品廃棄物を利用して取り組んでいましたが、今回はより生産コストが低く持続可能な飼料開発の研究に取り組みました。
    取り組み
    当初は失敗続きでしたが、動物性タンパク質として地元水産業者から削り節の副産物を入手でき、哺乳期の発育改善に成功。さらに食品廃棄物を17種類にして、飼料も改良することで、肉質のうまみ成分やビタミンを多く含む高品質な豚肉に仕上がりました。
    さらに、食肉加工の際に大量の豚脂を廃棄することに矛盾を感じ、洗濯用せっけんの開発に挑みました。試作を重ね、市販品より洗浄効果が高く肌や環境にやさしいせっけんを作ることができました。
    結果
    県内でのエコフィード普及を促進するために、企業の食品廃棄物を畜産農家の飼料に活かすマッチングも実践しました。16社の企業から250㌧以上の食品廃棄物が集まり、これを家畜用飼料に活かすことで、企業経費を1200万円以上の削減達成できました。これからも資源循環型社会の構築に貢献できるよう、活動を続けていきます。
    質疑応答
    Q
    実際に販売されているということで、価格はいくらくらいでしょうか。
    A
    シンデレラポークは1パック500円、洗濯用石?は1個200円で販売しています。
    Q
    豚の油を石鹸にする取り組みが素晴らしくハンドソープも作れそうだと思いますがいかがでしょうか。
    A
    ハンドソープは販売する過程で必要な資格や申請があり断念しました。洗濯石鹸なので、現在はより使いやすく、粉にすることも考えています。
    審査講評

    地域に根差し、エコフィードの仕組みを完成させていることに感動しました。自ら食べるものを自分のところで消費し、循環させるのは素晴らしい取り組みであり、グローバルな視点から現在の活動の位置付けや価値のあり方を議論していくと、さらに活動に幅や深みが期待できます。

  • 発表者
    今本 天音さん(2年)

環境大臣賞

研究・専門部門

福岡市立博多工業高等学校 自動車工学科 課題研究「空気エンジン開発班」

空気で動くエンジンの研究と、それを搭載した車両の製作

  • 活動内容
    背景
    この活動は、自動車工学科で学ぶ先輩たちが自分たちの専門性を活かしたいと4年前にスタートしました。今年は実用化に向け航続距離を延ばすこと、そして動力源である圧縮空気をクリーンエネルギーだけで作ることを目標に改良を重ねました。
    取り組み
    航続距離は現状時速20kmで最大約2.5km走ることができ、さらに効率のよい空気エンジンにするため改良を重ねています。一方、空気エンジンは排出ガスをまったく出さず環境に負荷を与えませんが、圧縮空気はコンプレッサーという機械を電気で動かして作っています。
    そこで、圧縮空気もクリーンなエネルギーで作るため中古品のソーラーパネルと自動車の使用済みバッテリーを組み合わせ、太陽光発電の設備を製作しました。
    専門家立ち会いの上、速度計測を行い時速63.966㎞を記録。「空気自転車の世界最高速度」としてギネス世界記録に登録を果たしました。
    結果
    クリーンエネルギーで圧縮空気を作ることに成功し、エネルギーの貯蔵から走行まで、すべてクリーンエネルギーで賄う目標への道筋ができました。今後は、実用化に向け、圧縮空気の製作時間短縮やエンジン効率をさらに向上させ、航続距離の延長などに取り組んでいきたいです。
    質疑応答
    Q
    船などではなくバイクで始めようと思ったきっかけは何ですか。
    A
    私たちは自動車工学科なのですが、自動車は流石に大きかったので手頃なバイクから始めようと思いました。
    Q
    走行が短いとのことですが、一度でどれくらいの長さの走行が可能でしょうか。
    A
    現状では、バイクも自転車も両方2.5kmの走行が可能となっています。今後はその倍の距離の走行を目指し、開発していこうと考えています。
    審査講評

    空気エンジンというものを初めて知り、とても驚きました。走行に至るすべての段階をクリーンエネルギーで賄い、環境にまったく負荷を与えないことを目標にしている点は非常に高く評価でき、安価で手に入りやすいものを開発すれば需要も生まれると考えられます。

  • 発表者
    左:川田 千鶴さん(3年)
    右:真名子 涼介さん(3年)

審査員 末吉竹二郎 特別賞

普及・啓発部門

茨城県立水戸農業高等学校 農業研究部

規格外廃棄イチゴを使った生パスタでみんなを幸せに

  • 活動内容
    背景
    研修で地元のイチゴ農家に行き、味は変わらないのに見た目が悪いというだけで一日平均50㌔ものイチゴが捨てられている “隠れ食品ロス”問題の重大性に気づきました。将来『つくる側』になる者として、廃棄されていたイチゴの利用方法を考えようと思いました。
    取り組み
    地元レストランの協力を得てイチゴのペーストを練りこんだ生パスタづくりに挑戦。香り・色・形状にこだわり、イチゴの種のプチプチ感を残した太麺と細麺の2種類を作成しました。完成した生パスタは、畑の食品ロスを多くの人に知ってもらうため地元のマルシェで50食を販売。さらに、地元百貨店の協力で販売会も行い、1週間で1200食販売し、多くの人が畑の食品ロスを減らすための取り組みに耳を傾けてくれました。
    結果
    活動により、イチゴ農家の廃棄を60%程度削減することができました。計算上では、50万円以上の所得アップが見込めることになります。この活動を継続させるため、現在は第2弾として梅の生パスタの販売を開始しており、今後は地域外にも活動を広げ、東京・銀座にある茨城県のアンテナショップでの販売会なども企画しています。
    質疑応答
    Q
    味はいかがでしょうか。また、料理への影響はありますか。
    A
    パスタの味としてはイチゴの味はあまりなく、ペーストにして練り込んだイチゴの種のプチプチ感の食感と香り楽しめる生パスタとなっています。トマトソースを使うと中和されてよいかもしれないと、購入した方がSNSに投稿してくれています。
    Q
    食品ロスの中には商品を作った後に出るロスもあると思いますが、生パスタを作って完売はしたんでしょうか。
    A
    イチゴの生パスタは基本的には注文をいただいてから販売したり、販売会などで作った分は極力売り切ってから次の商品を発注したりして、商品ロスを減らす工夫をしています。
    審査講評

    農業生産物というのは自然が生むものであり、形や大きさがばらつくのは当然で、規格通りの野菜や果物を選ぶ消費行動にも問題があります。そうした中で、規格外のイチゴを使ってパスタとして有効活用し、それを皆に知ってもらう発想を持ったことは素晴らしいです。

  • 発表者
    左:東野 未空さん(3年)
    右:小野瀬 蘭さん(3年)

審査員 吉川美代子 特別賞

普及・啓発部門

静岡県立浜松城北工業高等学校 環境部

「地球にやさしいエンジニア」を目指し共感の輪を拡げる環境活動

  • 活動内容
    背景
    環境部は1995年に創設され、部員以外にも参加の機会を設けた「地球にやさしいエンジニア」を目指す普及啓発型の環境活動を行っています。中田島砂丘でのウェルカメクリーン作戦、佐鳴湖クリーン作戦、浜名湖クリーン作戦は25年以上続き、卒業生や同校に併設される特別支援学校の生徒も参加し、地域に広がる活動となっています。
    取り組み
    2002年に110種、547本の苗木を植えた、潜在自然植生による「城北の森」は、環境教育のシンボルになっており、現在この森の木々は大きく成長しました。さらに、今まで35回にわたって実施してきたエコツアーでは、水源保護林を守る活動も行っており、ツアーは生徒自身の楽しみにもなっています。100%リサイクルを目指し、校内に設置したリサイクルステーションをモデルに、市内各所でも24時間リサイクルステーションを設けるなどの取り組みも行っています。
    結果
    ボランティア活動は年間35時間以上で卒業単位として認定しているのですが、これまで590人が単位を取得しており、「地球にやさしいエンジニア」を目指した活動への共感の輪は着実に広がっているといえます。
    質疑応答
    Q
    学生のアンケートで、リサイクルをしている人たちが96%でしたが、残りの4%の分別しない人たちの理由を把握していますか。
    A
    どこでリサイクルしたらいいかなど、自分たちの普及が足りてない部分があったんじゃないかと考えており、学校の100%を目指していきたいです。
    Q
    みんな自由に活動参加できるということですが、自分自身が参加したきっかけはなんでしたか。
    A
    先輩に誘われたことがきっかけです。一回活動をしてみて、また次も、と活動していくうちに環境についてもっと詳しく勉強していきたい、もっと貢献したいという気持ちが高まりました。
    審査講評

    25年にわたり活動が続くということはとても難しいことであり、さらに地元の企業や役所、環境保護団体、NPOなどと連携しながら共感の輪が広がっているという情熱が素晴らしい。他校とも連携して環境を守る活動を広げていく努力もしており、これからの活動にますます期待ができます。

  • 左から
    飯尾 美行さん 顧問
    平尾 伊吹さん(3年)発表者
    蒔田 晟也さん(3年)発表者

審査員 ジョン・ギャスライト 特別賞

研究・専門部門

山口県立大津緑洋高等学校 日置校舎 畜産専攻班

地域未利用資源を活用した牛用ペレット飼料の開発

  • 活動内容
    背景
    日本の飼料自給率は25%と低く、和牛生産は国際市場に左右されることから、和牛生産費の3割を占める飼料費をいかに削減できるかが課題となっています。そこで私たちは、地域の厄介者となっている放置竹林と、海藻アカモクの残さ(残りかす)でペレットが作れないかを考えました。
    取り組み
    竹と、海藻アカモクの残さは乾燥させてパウダー状にし、焼酎かすや廃糖蜜などを加えてペレット化しました。地域の飼料会社と連携して量産化し、市販の飼料と比べて1袋20kgで469円のコストダウンができました。「バンブー・レッド」と名付けた飼料は給与試験の結果、竹の消臭効果による尿のアンモニア臭低減のほか、牛の排出するメタンを削減することもわかり、環境に配慮した飼料になる可能性があります。
    結果
    開発飼料で飼育した牛が、地元和牛PRの一環として和牛甲子園にも出場し、取組部門で優秀賞を受賞しました。牛肉の一部を買い戻して行った官能試験は好評でしたが改善点も見つかり、今後は飼料の改善により肉質の向上を図り高品質な牛肉生産とブランド化を推進することで、「エコで儲かる畜産業の普及」を目指していきます。
    質疑応答
    Q
    メタンガスが減る効果は牛の屁が減ったということですか。
    A
    そうです、牛のおならやげっぷなどにメタンガスが含まれているので、その減少効果がありました。
    Q
    今後多くの廃棄物を飼料化するとのことですが、もうすでに活用できるような未利用の資源がたくさんあるという状況なのですか。
    A
    耕作放棄地にてもちむぎやえごまを栽培して、それらを活用したいと考えております。
    審査講評

    海外の飼料生産は森林伐採につながるなど環境への影響が心配される中、地域の未利用資源である竹と海藻アカモクをパウダー状に加工するというユニークな発想が評価につながりました。この飼料で育った和牛はおいしさだけではなく、エコの心が込められていることを、ぜひ世界にアピールしてほしいと思います。

  • 前列左:秋山 菜々美さん(3年)発表者
    前列右:木村 波華さん(3年)発表者
    後列左:村岡 莉帆さん(3年)
    後列中央:上田 あすかさん(3年)
    後列右:三浦 優奈さん(3年)

審査員 五箇公一 特別賞

研究・専門部門

愛知県立佐屋高等学校 科学部

資源循環に導くスクミリンゴガイの駆除に関する研究

  • 活動内容
    背景
    地元の小学生と共同でお米の有機栽培を行い、収穫したお米が人気になっている一方で、外来種のスクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)が問題になりました。駆除に向けて、効果的な誘引剤の研究、生態の研究、他の生物の餌としての有効性の研究、殻の有効性利用に関する研究の4つに取り組みました。
    取り組み
    誘引剤として糖度の高いマクワウリが有効なこと、行動調査をすると最高で約67m、小さな個体でも50m以上とかなり広範囲で動くことがわかりました。スッポンを用いた餌としての有効性の研究では、稚ガメは肉片をよく食べて体が成長し、野生のスッポンも給餌効果が高く、スクミリンゴガイの駆除に期待できるといえます。
    殻の有効利用については、小松菜栽培での比較実験を行い、十分に液肥効果があると考えられます。
    結果
    研究の結果、有効な誘引剤や肥料としての使用方法が確立でき、資源循環に導くスクリミンゴガイの駆除へ向けて大きく前進しました。
    一方で、スクミリンゴガイにも命があり、その命は無駄ではありません。このことを地元の子どもたちを中心に伝えていきたいと考えています。
    質疑応答
    Q
    天敵としての野生スッポンの開発を目指しているのか、スクミリンゴガイを餌として養殖として利用するのか、どちらでしょうか。
    A
    スッポンの野生個体を捕まえて、スクミリンゴガイを餌として育て、それをまた再放流することで、味を覚えたスッポンが水路に繁殖し、水田から流出したスクミリンゴガイの天敵として捕食することを期待しています。
    Q
    色々なところで用水路がコンクリートで補強されていると思いますが、用水路の環境が変わると、生態系はどういう風に変わってくると考えられますか。
    A
    科学部ではドジョウの研究もしています。その時にコンクリート3面張りの用水路でもどのように生物多様性を保存できるかという研究も行っているので、そこで出た結果を、スクリミンゴガイの研究にも生かせればと思います。
    審査講評

    スクミリンゴガイは農業現場における困った外来種として、全国的にも問題になっています。その駆除に着目し、有効なトラップや天敵を探索したり、殻をうまく活用できないかなど、外来種防除をパッケージングしているのは、生態学的にも素晴らしい研究だと言えます。

  • 左から
    中島 冬陽さん(3年)発表者
    宮本 彩名さん(1年)発表者
    武田 誠司さん 顧問

「エコの環」賞

普及・啓発部門

学校法人静岡理工科大学 星陵高等学校 星陵ラボ・バイオメタン班

バイオメタンのある暮らし

  • 活動内容
    背景
    地域に普及しやすい再生可能エネルギーとして、生ごみや家畜の糞尿などで生成するバイオメタンに注目しました。将来、地域の各所に小規模バイオメタン施設を設置し、誰でも簡単にバイオメタンを生成し、可燃性ガスとして利用できる、資源循環型社会の構築を目指しています。
    取り組み
    バイオメタン普及を実現するためには、地域の方々からの理解が必要です。校内での説明会や発表会のほか、小中学校での出前授業の開催など、バイオメタンの普及活動に力を入れています。参加生徒が関心を示したり、保護者から質問を受けたりと、興味喚起につながってきているのを実感しています。
    普及活動の一環として、東京2020 オリンピック・パラリンピックの聖火へのバイオメタン燃料の利用を目指し、広報活動を実施しました。
    結果
    パラリンピックの聖火の燃料をつくるパートナー校としての参加が実現し、世界初となる、再生可能エネルギーを利用した聖火が灯されました。今後は、バイオメタン施設の運用、管理に関わる実証実験をさらに増やし地域での設置実現を目指しています。狭い範囲での資源循環が実現すれば、将来的に広い範囲での実現も可能になると考えています。
    質疑応答
    Q
    バイオメタン施設を設置する場合どれくらいのコストがかかるのでしょうか。
    A
    学校で使用している施設は卒業生の方の協力があり、100万円ほどで作ることができましたが実際にこの大きさの施設を作るとなると、300万円くらいかかると思います。しかし、私たちがこれから実現させていこうとしているバイオメタン施設は、15万円ほどで作ることができる想定です。
    Q
    トマト以外の野菜や植物でも肥料実験は行ったのでしょうか。
    A
    はい。トマトの他にピーマン、ひまわり、キャベツなどで実験を行いました。とくに葉物野菜や花にいい影響があることがわかり、可能性が多くあると感じています。
    審査講評

    再生可能エネルギーのひとつとして注目されているが、社会実装化には多くの課題があるバイオメタンを、あくまで小規模な施設の設置によって広げようとする取り組みは、実現性が高いと感じました。実現に向け誰でも管理ができるような実験の進展を期待したいです。

  • 発表者
    左:大西 希美さん(2年)
    右:神尾 つぐみさん(2年)

エコワン活動賞

研究・専門部門

京都先端科学大学附属高等学校 理科部

鴨川におけるウズムシ類の経年変化と鴨川の環境

  • 活動内容
    背景
    プラナリアの仲間であるウズムシ類を中心に、鴨川の環境変化を継続的に把握し、環境保全に役立てるため、2006年から水生生物調査を継続して行ってきました。活動を始めた年と比べ、帰化種ウズムシ類が上流域へ広がっていることや、ウズムシ類そのものの個体数減少などが判明しました。
    取り組み
    水質を示す指標生物を調べたところ、生きものの生息環境の変化が示唆され、絶滅危惧種であるスナヤツメも、この2年で観察できなくなりました。最近の護岸工事などの影響で、川の環境が変化してしまったのではと思いましたが、帰化種ウズムシ類の遡上は水質変化のためだけではないということも分かってきました。水温別に死亡率を調べる実験を行うと、高水温の環境では在来種・ナミウズムシの死亡率が高く、帰化種ウズムシ類は低いとの結果が出ました。
    結果
    さらに定点調査によって、水温が高い時期(8月末~9月)は帰化種ウズムシ類の個体数が多いことを確認しました。地球温暖化が問題になるなか、水生生物の生息環境において水温は注目される外的要因の1つだろうと考えます。河川環境の変化で真っ先に影響を受けるのは、水中の生きものです。今後、帰化種ウズムシ類の繁殖・定着の仕組みと環境のかかわりを解明したいと思います。
    選出理由

    15年もの間、多くの方に協力をしていただきながら、研究を継続してきたこと。そして長年の水生生物の地道な研究と分析を高く評価します。今後はさらに鴨川の環境やウズムシの調査を進め、生態系の保全、回復などの成果を期待しています。

  • 発表者
    左:佐古田 優里さん(3年)
    右:加藤 美紅さん(1年)